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2009年10月 7日 (水)

アンチエイジングとタバコ:ノーベル賞とからめて

アンチエイジングタバコテロメアに関してのノーベル賞

ノーベル生理学・医学賞は米の3氏が受賞しました。
 授賞理由は「テロメアとテロメラーゼ酵素によって染色体が保護される仕組みの発見」というものです。

 簡単に言うと、テロメアというものが染色体の端にあり、細胞が分裂を繰り返すとテロメアは少しずつ短くなり、50~60回しか分裂できないので、ついには分裂できなくなって細胞は死んでしまう。つまり、テロメアは老化・寿命に関係するのです。 

 ところで、以前、女性の肌について、喫煙者は5歳肌の老化が早いという記事を書きました。

参考:禁煙をして、肌のつやを良くしましょう No.1

 実は、喫煙者は今回ノーベル賞のテーマとなったテロメアという遺伝子のレベルでも老化しているようなのです。2005年にランセットという権威のある雑誌にテロメアとタバコについての興味深い論文が掲載されました。1)

 このことは、新聞でも報道され、たばこで老化、DNAまで 1日1箱40年で7.4年分 (共同通信社 2005年6月20日)として、取りあげられました。

 内容は、「テロメアの長さを喫煙歴で比べたところ、非喫煙者が最も長く、元喫煙者はやや短縮、喫煙者はさらに短かった。すなわち遺伝子レベルで、喫煙が老化を加速する形になっていた。これを基に、喫煙本数や期間がテロメアに与える影響を試算したところ、1日1箱、40年で7.4年分の老化という数字がはじき出された。」というものです。(肥満のテロメアに対する影響も取りあげているのですが、ここでは、省略しますので、下記英語論文を見てください。)

 つまり、遺伝子レベルでタバコの老化作用が立証されたのです。その後も同様な論文が出ています。2)

 やはり、若さを保つためには(アンチエイジングのためにも)タバコを吸わないことを選択しましょう。

1) Valdes AM, Andrew T, Gardner JP, Kimura M, Oelsner E, Cherkas LF, et al. Obesity, cigarette smoking, and telomere length in women. Lancet. 2005 Aug 20-26;366(9486):662-4.

2) Morla M, Busquets X, Pons J, Sauleda J, MacNee W, Agusti AG. Telomere shortening in smokers with and without COPD. Eur Respir J. 2006 Mar;27(3):525-8.

追記) 同様な内容がすでにブログに書かれていました。 すてきなブログですね。

生活習慣☆テロメアの長さを保つことでアンチエイジング|マイナス5歳若くみえる秘訣 ~ 30歳からのアンチエイジング ~

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コメント

今回の内容興味あるものでした。アクセス数が多いことをお祈りしています。

投稿: K watanabe | 2009年10月13日 (火) 12時34分

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