歴史に学ぶ1ー養生訓 (貝原益軒) にみるタバコ
貝原益軒の養生訓 (1712年)より
今より300年前に貝原益軒が書いた養生訓にすでにタバコの害について書かれていました。一部間違いもありますが、現在指摘されている内容がほとんど網羅されており、先見の明にはおどろかされます。
注:貝原益軒: (1630-1714) 江戸時代前・中期の儒学者・本草家・教育思想家
<原文>
たばこは、近年、天正、慶長の比、異国よりわたる。淡婆姑(たんばこ)は和語にあらず。蛮語也。近世の中華の書に多くのせたり。又、烟草と云。朝鮮にては南草と云。和俗これを莨とうとするは誤れり。ろうとうは別物なり。
烟草は性毒あり。煙をふくみて眩ひ倒るヽ事あり。習へば大なる害なく、少は益ありといへ共、損多し。病をなす事あり。又、火災のうれひあり。習へばくせになり、むさぼりて後には止めがたし。事多くなり、いたつがはしく家僕を労す。初よりふくまざるにしかず。貧民は費(ついえ)多し。
<現代語訳>
たばこは天正・慶長年間の近年になって、他国から渡ってきた。淡婆姑は日本語ではなく、外国語である。近世の支那の書に多く書いてある。また烟草ともいう。朝鮮では南草という。日本ではこれを莨とうとするのは誤りである。煙草と莨とうとは別のものである。
煙草の性は毒である。煙を飲んで目がまわり倒れることがある。習慣になるとそれほどの害はなく、少しは益もあるといわれるが、損失が多い。病気になることもある。また火災の心配もある。習慣になると癖づき、むさぼって、ついにやめられなくなる。こうなると、することが多くなって、家事手伝いの労働を増す。最初から近づけないのがもっともよい。貧しい者はそのために出費が多くなるので、いっそう貧しくなる。
森下ジャアナル より
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