軽いタバコは本当に軽いのか?ーライト・マイルドタバコの真実
軽いタバコは本当に軽いのか?ーライト・マイルドタバコの真実
多くの喫煙者は「低タール」「マイルド」「ライト」「ウルトラライト」などのタバコを「レギュラー」「フルフレーバー」より健康への害が少ないと思って選びます。
「ライト」タバコの煙は、のどや胸になめらかで軽く感じられるかもしれませんが、
「ライト」タバコは通常のたばこより健康によいわけではなく、実際に「ライト」タバコは喫煙による健康のリスクを下げることはありません。
喫煙者そして周囲の人たちへのリスクを下げるためには、完全に喫煙をやめるしかないのです。
これは、アメリカ国立がん研究所(NCI) に書いてある文章の訳です。
<引用>
NCIファクトシート「ライト」タバコの真実ー海外癌医療情報リファレンス
なぜ、軽いタバコは軽くないのでしょうか?
二つ理由があります。
1. 喫煙者は、ニコチンに依存的になっており、軽いタバコにしても、結局必要なニコチンを摂取しようとして、根本まで深く吸ったり、本数が増えたりするなどの代償性喫煙を行ってしまうため。
2. ニコチン測定方法にからくりがあるため
平間敬文医師提供写真
これが、低タール・低ニコチンのからくりです。これのどこがからくりなのでしょうか?
穴が空いていますね。
実は、タバコに書いてあるニコチン・タールの量はタバコ1本に含まれる量ではないのです。
タバコに書いてあるニコチン量はある条件にて計測されています。
「タバコを吸引孔に差し込み、火をつけて、機械で一服につき35ml、吸煙時間・頻度は一服につき2秒間で1分に1回、吸い殻の長さが30mmとなるまでという条件で吸引し、その煙からニコチン、タールの量を測定」 しているのです。
人が吸うやりかたとは全然違うことがわかります。
実際にタバコ1本に含まれるニコチン量はどのタバコでも6~7mgもあり、喫煙で約1~3mgが吸収されるという報告があります。ー禁煙マニュアル 日本呼吸器学会編より
上記写真のように、きついタバコから軽いタバコになるにつれ、穴の個数が増えます。
すると穴から外の空気が入ることで薄まり、
機械で計測したときにニコチン・タール量が減るのです。
そのようにして見せかけの低タール・低ニコチンを実現 しているのです。
禁煙治療マニュアル 日本呼吸器学会編より
実際にタバコを吸うときには、穴を唇や指でふさいだりすることも多いのです。先ほどの代償性喫煙もあり、吸収されるニコチン量は変わらなくなります。
しかも、軽いタバコを吸うことで、逆に吸収されるタールや、一酸化炭素は増えることもあり得るのです。
下記の図からは、軽いタバコにしても、むしろ一酸化炭素の吸収量は増え、ニコチンの量は変わらず、心筋梗塞の発症も変わらないことが分かります。
健康に気をつかうのなら、ライト・マイルドタバコにするのではなく、タバコを吸わない生活を選びませんか?
下記は、タバコ病辞典サポートホームーページからの引用図です。
図1-7, 8, 9 は全て「タバコ病辞典」より
タバコ病辞典は、現在amazon では品切れですが、楽天ブックスには在庫があるようです。
終わり
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- 歯周病 (歯槽膿漏) とタバコの切っても切れない関係(2010.10.11)
- 第2回「タバコは健康を損なう:動画CMコンテスト」受賞作品(2010.10.06)
- タバコを止めて良いこと1つー腰痛が改善する!!(2010.09.04)
- 心内対話を禁煙に応用してみる。(2010.08.21)
- タバコのマーケティングについて考えてみました(2010.08.14)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント