藤田まことさんと大動脈瘤ー食道がん・COPDとの関連について
藤田まことさんと大動脈瘤ー食道がん・COPDとの関連について
藤田まことさんが大動脈瘤破裂でお亡くなりになられました。
まずは、ご冥福をお祈りします。
藤田まことさん死去、76歳=「必殺」シリーズ、「てなもんや三度笠」- 時事ドットコム
「必殺仕置人」の中村主水役や「はぐれ刑事純情派」の安浦刑事役で情にあついベテラン刑事、てなもんや三度笠など多くの作品で私たちを楽しましていただきました。
でも、このブログで2回も取りあげることになってしまうことになるとは思いませんでした。
最近はめっきりやせられていたので食道がんの手術やCOPD (慢性閉塞性肺疾患)がかなりこたえていたのでしょう。
食道がんはタバコとお酒が主な原因です。
COPD は言うまでもなくタバコが原因です。
そして、今度は、大動脈瘤破裂で亡くなられました。
実は大動脈瘤も喫煙と大きな関係があります。
タバコによって、舞台を降板せざるをえなかった藤田さんの無念、そして、志なかばでタバコで命を落としたことの無念さは想像して余りあるものがあります。
藤田まことさんはまさにタバコの犠牲者です。
タバコに対して、強く憤りを感じます。
3つもタバコ病にかかっていたのです。タバコの犠牲者でなくしてなんでしょうか?
おそらく、マスコミはまた、タバコとの関係は取りあげないでしょう。せめて、私はこのブログで警告したいと思います。
タバコを吸っている方はぜひ、禁煙されて、健康で有意義な生活を送っていただきたいと思います。
タバコと大動脈瘤
喫煙は高血圧と共に主要なリスクファクターです。合計300万人以上の男性における動脈疾患の危険因子に関する研究をまとめたLederleらの報告では、喫煙者は非喫煙者に比べて、3-6倍なりやすいことが分かりました。
タバコと食道がん
日本人22万人を16年間追跡調査した研究では、1日15本以上の喫煙によるリスク増加は2.3倍、毎日飲酒によるリスク増加2.4倍、熱い飲食物を習慣的摂取することのリスク増加1.6倍、喫煙+飲酒のリスク増加は3.9倍でした。
タバコとCOPD
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コメント
神奈川県から東京都内に勤務している、「はぐれ心臓外科医」です。
藤田まことさんについては、COPD、食道がんと聞いていましたので、たばこ(+アルコール)の犠牲になった悲しい芸能人の一人だと思っていました。大動脈瘤も患っていた(「瘤破裂」と明言されていたりいなかったりですが)となると、ほぼ、タバコ病の犠牲者といっていいのでしょう。
厚労省が、公的な場での全面禁煙の要請を、来週通知するようです。公の場の禁煙の進行の遅さにはあきれますが、JTとの絡みなどを考えれば、良いほうなのでしょうか。要請どおり進んでも、客待ちの間に車外でたっぷり喫煙した運転手と狭い空間を共有することになったり、禁煙の店内に入るために、店の前の喫煙スペースの煙幕をくぐる必要があったりするのでしょう。
光はまだまだ、タバコの煙の向こうにぼんやりと見えるだけですが、だんだんはっきりしてきました。さえぎられずにやってくる光を見るために、がんばりたいものです。
投稿: 横浜ちゃん | 2010年2月19日 (金) 11時00分
藤田まことさんの記事をいくつか見ると、昨年食道ステントを留置したこと、今回の入院時に吐血したことがあります。おそらく食道癌CRT後の再発に食道ステントを留置し、腫瘍が大動脈へ穿通し、大動脈⇒食道への出血による死亡と考えます。
投稿: なおぽん | 2010年2月19日 (金) 20時43分
なおぽんさんへ
うーん、するどい指摘ですね。よくぞ、ネット上の少ない情報をまとめ考察をしていただきました。私も一応、がん薬物療法専門医ですので、先生のご指摘は、経験のあることだけに納得させられます。事実は公表されていませんので、するどい推理としか言えませんが、多分正しいのでしょう。
でも、喫煙の害としての内容としては、間違ってはいませんので、記事は訂正せずにこのままにしておきます。ありがとございました。
投稿: 禁煙センセイ | 2010年2月20日 (土) 19時57分