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2010年2月11日 (木)

報道されないサードハンドスモークの裏側

サードハンドスモーク: thirdhand smoke (= 残留受動喫煙)について

 サードハンドスモークという言葉が最近話題になっています。海外ではニューヨークタイムズABC Newsロイターなどで報道されています。
 ところが、日本ではほとんどの新聞社が無視の様で、唯一、大手としては、毎日新聞だけが報道しているようです。

 セカンドハンドスモーク(受動喫煙) は聞いたことがある方は多いと思いますが、サードハンドスモークって何?という方も多いと思います。

 タバコの煙成分が部屋やものにしみ込み、煙が消失した後も、有害な化学物質を放出し、それによって健康被害を受けることです。

サードハンドスモーク」は2009年1月、米国小児科学会誌に掲載された米マサチューセッツ総合病院の小児科医らが執筆した論文で初めて用いられました。ですから、最近の概念ではあります。

<参考文献>
Winickoff JP, Friebely J, Tanski SE, Sherrod C, Matt GE, Hovell MF, et al. Beliefs about the health effects of "thirdhand" smoke and home smoking bans. Pediatrics. 2009 Jan;123(1):e74-9.

 現在分かっている内容をまとめてみました。

もっと多くの人にサードハンドスモーク(残留受動喫煙)の害について、理解していただきたいと思います。

1. 2004年に報告された米サンディエゴ州立大学の心理学講座の研究では、

「家族の中に喫煙者がいない家庭」 「母親は喫煙者だが子どもと同じ部屋では吸わない家庭」「子どもに配慮せず吸う家庭」とで、居間と子どもの寝室のほこり、家具の表面や空気中などのニコチン濃度を比べました。

 これらのデータを統計処理して試算した全体的なニコチン濃度は、配慮せず吸う家庭は同じ部屋で吸わない家庭の3~8倍、同じ部屋では吸わない家庭も、喫煙者がいない家庭に比べ5~7倍だったといいます。

喫煙有害物質、翌日も室内に 「サードハンドスモーク」米国で新概念  2009年1月28日  毎日新聞社 より(現在記事削除)

A New Cigarette Hazard: ‘Third-Hand Smoke’ - The New York Times

2. 豊橋技術科学大の斉戸美弘准教授らは1リットル中のナノ(10億分の1)グラムという微量の物質を正確に測定する機器を開発、2009年秋、三次喫煙(サードハンドスモーク)について論文を発表した。

 実験は車内や布を入れた容器内で、たばこの先端に火をつける。燃焼後に車内や容器内を換気したうえで、ベンゼン、トルエン、アンモニアなどたばこの有害物質の空気中濃度を調べた。

 容器内に入れた布は、綿・麻・絹・ポリエステル・裏地などに用いられるアセテート。アンモニアは綿に最も多く吸着・発散した。ベンゼンやトルエンはアセテートが多く、絹には少なかった。長く換気するほど量は減るが、10分以上発散することが確認された。

 車では換気後、再びドアを閉めた。車内の空気中濃度は徐々に上昇、一定の高さで変化が止まった。内装材に吸着した物質がゆっくり発散するからだ。密閉度の高い車内では外に流出しにくく、除去は難しい。

記者が体験:禁煙日記 火が消えた後にも被害 /和歌山 - 毎日jp(毎日新聞)より

3. 米ローレンス・バークレー国立研究所の研究チームによると、

タバコが燃える時に放出されるニコチンは、屋内の壁、じゅうたん、カーテン、家具などの表面に付着して凝結し、何か月も残存することが可能だ。

 そして、こうしたニコチンが周囲の亜硝酸と反応すると、発がん性物質のタバコ特異的ニトロソアミン(TSNA)が生成されることが、実験で確認されたという。

 人間は、ちりを吸い込んだり、カーペットや衣服に触れることで、TSNAを摂取してしまう可能性が高い。こうした3次的な喫煙は、特に乳幼児にとって危険だという。 

壁のタバコ残留物など「3次的喫煙」も健康に悪影響、米研究- AFP-BBNews

Thirdhand smoke forms indoor carcinogens, Lawrence Berkeley lab scientists report

- MercuryNews.com

Even third-hand smoke carries carcinogens: study
- REUTERS

Even third-hand smoke carries carcinogens: study
- Yahoo News

<参考文献>
Sleiman M, Gundel LA, Pankow JF, Jacob P, 3rd, Singer BC, Destaillats H. Atmospheric Chemistry Special Feature: Formation of carcinogens indoors by surface-mediated reactions of nicotine with nitrous acid, leading to potential thirdhand smoke hazards. Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 Feb 8.

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コメント

禁煙守らぬ職場や人に罰金 厚労省が内部で検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100213-00000000-jct-soci
喫煙室に補助金検討、非喫煙者から反発も?

この改正に医学団体より、多くの応援をお願いできないでしょうか

投稿: 身近な癌 | 2010年2月17日 (水) 10時49分

はじめまして。
図書館で借りた本に染み付いた古いタバコのニオイが辛くて色々探していて、ここに流れ着きました。

毎日新聞の記事は読んでいたのですが、他紙で報道されてないのは知りませんでした。
まだ良く分からないから?圧力があったり、自粛する気分があるから?
色々邪推してしまいます。

自宅は、ヘビースモーカーだった父が20年位前に禁煙したのですが、
未だに大掃除などで柱を水ぶきすると、雑巾が茶色くなります。
石鹸を使わないと落ちないので、ホコリではないですよね。
ニオイも、昔嗅いだな、と思い出す(古い)タバコのニオイですし。

誰も調べてないのだろうけど、サードハンドスモークの「危険」はいつまで続くんでしょうね。
ウチに赤ちゃんは居ませんが、自分が辛いので気になります。誰にも言えないけど。

記事にして、こうして出しておいて下さる方が居ると嬉しくなってしまいまして…。通りすがりに失礼しました。

投稿: もきゅ | 2010年9月12日 (日) 03時46分

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