アスベスト(石綿) は体にとても悪いです。でも、タバコはもっと悪いです
アスベスト(石綿) は体にとても悪いです。でも、タバコはもっと悪いです。
なぜならば、肺がんに関しては、下記のデータがあるからです。
非喫煙者が喫煙者と共に1 日1 時間を同室で過ごすことは、アスベストを含有する建物で20 年間を過ごすよりも、肺がんを発症する確率が100 倍近く高い。
‐Sir Richard Doll, 1985
<出典>「タバコ規制のための国家能力構築ハンドブック」 WHO
もちろん、石綿の害はむしろ、悪性胸膜中皮腫という悪性腫瘍の最大でかつほぼ唯一の原因であることにあります。また、石綿肺といって肺が傷んでいくことも問題です。ですから、肺がんの害で比較するのは本当は、あまりフェアではありません。
でも、肺がんに対しては、タバコの方が圧倒的に悪いのだということは知っておいて下さい。
また、悪性胸膜中皮腫よりも肺がんの方が圧倒的にかかる人が多いことも知っておいて下さい。
悪性胸膜中皮腫の原因 アスベスト
肺がんの原因 タバコ > アスベスト
肺がんの頻度 >> 悪性胸膜中皮腫の頻度
いくつかの研究がありますが、
肺がんの発症する割合
1.「アスベストに接する仕事に従事」していない。かつ「タバコを吸わない」―これを「1」とする。
2.「アスベストに接する仕事に従事」している。そして「タバコを吸わない」場合、「1」に比べて、5倍発症する。
3.「アスベストに接する仕事に従事」していない。そして「タバコを吸う」場合、「1」と比べて10倍発症する。
4.「アスベストに接する仕事に従事」している。かつ「タバコを吸う」場合、「1」と比べて53倍発症する。
というものが有名です。
アスベストは仕事で石綿を吸入した人以外はそれほど恐れなくて良いのです。
悪性胸膜中皮腫よりはるかに頻度の高い肺がんに注意すべきですが、アスベストを吸入していた人が喫煙すると、吸わない人の5-10倍も肺がんになりやすいので禁煙することが大事です。
石綿を吸い込む職業や環境にいた方は、ぜひ禁煙をして、肺がんになる確率を減らしましょう。
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