ウォーキングと喫煙ードーパミンと絡めて
ドーパミンは、快楽物質ともワクワク物質とも幸せ物質とも言われ、脳内報酬回路の中心となり、意欲、動機、学習などに重要な役割をになっています。
そして、ニコチンはドーパミンを分泌します。
そのこと自体は、一見良さそうに思います。
でも、そうでしょうか?
覚せい剤はドーパミンに似た物質で快感をもたらしますが、一方で、常用するとドーパミンが出なくなります。
覚せい剤を使用していないとドーパミンが出ない状況となり、大変な禁断症状が起きる訳です。
一方、タバコに含まれているニコチンは脳内の側坐核に働いて、ドーパミンを強制的に分泌させます。
そうすると、もともと人間が持っているドーパミンを分泌する能力が落ちてきます。
タバコがないと、ドーパミンが、出にくい状態となるわけです。
タバコが切れると何となく、物足りない、不安な感じが起きるのは、ドーパミンの分泌が落ちているからなのです。
タバコが切れると、ドーパミンが分泌しないので、楽しくない、幸せでない状態となります。タバコを吸うとやっと非喫煙者並の楽しさ、幸せを感じることができるようになるのです。
禁煙にチャレンジしたときに何となく口さみしい、ものたりない、不安な状況というのは、ドーパミンが分泌しずらくなっているからなのです。
このようなドーパミンの最新知見をすでに何年も前に本に書かれていた方がおられます。
久保田競先生です。
奥様の久保田カヨ子さんと”エチカの鏡”に出演されて、一般の方にも知られるようになり、幼児教育の久保田能研でも有名ですが、京大名誉教授で本物中の本物の脳科学者です。
前頭連合野の世界的権威の久保田競先生は、その著書「禁煙で天才脳をつくる!」でタバコのニコチンの代わりにドーパミンを分泌して禁煙する方法として、ジョギングを勧められています。頭も良くなるそうです。
また、ウォーキングもドーパミンを分泌するので良いと思われます。
禁煙にチャレンジする際に、ジョギングやウォーキングを始めてみませんか?
そのことにより、出にくくなったドーパミンを自分の力で出すことができるようになります。そして、頭も良くなり、幸せを感じることもできるようになり、最終的に楽しく禁煙できるでしょう。
ところで、友人の日の出ウォーキング家元の猪狩大樹さんが、本をだされました。
「下半身」を鍛えれば人生は必ずうまくいく
題名にはびっくりですが、まじめな本です。日の出とともに歩くことを勧める本ですが、ウォーキングとドーパミンにも言及しており、禁煙をきっかけに新しい習慣作りをするのにはピッタリの内容となっています。お勧めです。
<参考>
汗をかいてストレス解消、メタボも解消
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コメント
川井先生
拙著のアマゾンキャンペーンに際しては、絶大なるご支援を賜り、
誠にありがとうございます。
ウチの父、タバコが好きで先日も病院のお世話に(^^ゞ
退院してからは毎日歩いているようです。
ヤめられるといいのですが(^^ゞ
投稿: 猪狩大樹 | 2010年8月 3日 (火) 03時36分
先生、
このブログを何度も何度も読み返し
明日禁煙外来に行きます。
30年以上の私にさよなら
~そう報告ができるように
できないことはない、やらないだけだった
すっぱりやめた
投稿: | 2010年8月 9日 (月) 17時22分