心と体

2010年10月11日 (月)

歯周病 (歯槽膿漏) とタバコの切っても切れない関係

歯周病 (歯槽膿漏) とタバコの切っても切れない関係

 12学会 禁煙推進学術ネットワークというところが、「禁煙の日」を制定しました。

 12学会の中に下記の学会が含まれています。

日本口腔衛生学会
日本口腔外科学会
日本歯周病学会


  なぜ、歯科とタバコが関係するのでしょうか?

  まず、口腔がんとタバコが強く関係するため、日本口腔外科学会が入っています。

日本口腔外科学会禁 煙 推 進 宣 言 2003年

 また、歯周病(歯槽膿漏) は、タバコが強く影響しており、日本口腔衛生学会と日本歯周病学会が入っています。

National Health and Nutrition Examination Survey IIIという、

 米国 12,329名の口腔を歯周ポケットの深さとアタッチメントロスで調査した調査によると、

 現在喫煙者の非喫煙者に対する歯周病リスクは 3.97倍

 全米の歯周病の52.8% は喫煙に起因すると推測されました。

<参考>
Tomar SL, Asma S. Smoking-attributable periodontitis in the United States: findings from NHANES III. National Health and Nutrition Examination Survey. J Periodontol. 2000 May;71(5):743-51.

 歯周病の半分は喫煙が原因という訳です。

 日本口腔衛生学会禁煙宣言 2002年より

 口腔保健の面からも、喫煙は口腔がんや歯周病のリスク因子であることが証明されており、歯の喪失との関連性も認められている。

 また、喫煙者の多くは、歯周治療、インプラント処置や抜歯後の創傷治癒などの予後が不良であることが指摘されている。

 さらに、無煙たばこの使用が、口腔にとって高い危険性があることが明らかにされている。

日本歯周病学会禁煙宣言 2004年より

喫煙者は歯周病にかかりやすい!

 喫煙者は非喫煙者に比べ2-8倍の危険度で歯周病にかかりやすくなります。さらに、喫煙による不快な口臭、味覚の鈍麻、歯肉の黒色化や歯面 の着色など口腔内環境は悪化します。

喫煙者は歯周病の症状に気づきにくい!

タバコに含まれている化学物質が喫煙者の歯肉出血を減少させたり、歯肉表面を硬くすることで歯周病の症状が隠されてしまいます。

喫煙者では歯周病の治りが悪い!

歯周病の進行に応じて様々な治療が行われています。しかしながら、ど のような歯周治療に対しても喫煙者では治りが悪いことが報告されてい ます。

歯周病は全身疾患のリスクを高める!

歯周病は糖尿病、心筋梗塞や低体重児出産、早産などの発症と関係します。つまり、喫煙している歯周病患者では、これらの病気にかかるリスク がいっそう高まります。

 歯周病を防ぐためにもタバコを止めましょう。

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2010年10月 6日 (水)

第2回「タバコは健康を損なう:動画CMコンテスト」受賞作品

 今年も日本禁煙学会の動画禁煙CMコンテストの受賞作品が発表されました。
 
 すばらしい作品の数々をどうぞ

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2010年9月 4日 (土)

タバコを止めて良いこと1つー腰痛が改善する!!

タバコを止めて良いこと1つー腰痛が改善する!!

 腰痛で困っている人は多いと思います。

 腰痛の危険因子には、喫煙、肥満、高齢、女性、肉体労働、座ってする仕事、ストレスの多い仕事、仕事上の不満、不安、うつなどがあります。(UpToDateより)

 今回は、喫煙と腰痛について考えてみたいと思います。

 喫煙すると骨粗鬆症になりやすくなりますので、高齢者の腰痛の原因の圧迫骨折が起きやすくなります。

 しかし、腰痛症の原因で圧倒的に多いのは椎間板の異常によるものです。


1. 喫煙すると、椎間板ヘルニアのリスクが腰部で3倍になるという報告があります。

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- タバコ病ホームページより

An HS, Silveri CP, Simpson JM, File P, Simmons C, Simeone FA, et al. Comparison of smoking habits between patients with surgically confirmed herniated lumbar and cervical disc disease and controls. J Spinal Disord. 1994 Oct;7(5):369-73.

2. また、メタアナリシスという信頼度の高い手法で行った調査では、

喫煙者は非喫煙者に比較して、1.31倍腰痛が起こりやすいという結果でした。

Shiri R, Karppinen J, Leino-Arjas P, Solovieva S, Viikari-Juntura E. The association between smoking and low back pain: a meta-analysis. Am J Med. 2010 Jan;123(1):87 e7-35.

3. 椎間板については、日本大学が、ニコチンを投与し続けたウサギの椎間板が変性したと報告しました。

- タバコが腰痛の原因に 初めて科学的に実証- asahi.comより

Iwahashi M, Matsuzaki H, Tokuhashi Y, Wakabayashi K, Uematsu Y. Mechanism of intervertebral disc degeneration caused by nicotine in rabbits to explicate intervertebral disc disorders caused by smoking. Spine (Phila Pa 1976). 2002 Jul 1;27(13):1396-401.


この報告の中で、8週間受動喫煙をしていたラットを3週間禁煙させると、椎間板が修復されることもわかり、若い人なら、禁煙によって、すでに壊れかけている椎間板が修復される可能性があるそうです。

 タバコを止めて、腰痛のつらさのない生活を目指しましょう。

<用語>
椎間板
 背骨の骨と骨の間にあり、クッションの役割をするもの。椎間板自体には血管が無いため、椎間板周囲の毛細血管から栄養を得ている。

 ニコチンは、血管収縮作用があり、椎間板周囲の毛細血管を収縮させ、椎間板への栄養補給が不十分になり、椎間板が変性してしまいます。

 また、椎間板はコラーゲンでつくられますが、コラーゲンは、ビタミンCにより産生が促進されます。喫煙はビタミンCを失わせるので、椎間板の老化を早めます

UpToDate:
臨床の現場で生じる疑問に回答を得るためのデータベースで、診断と治療について具体的に提言されていることから、EBM実践に欠かせないツールとして評価されています。
http://www.uptodate.com/home/index.html

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2010年8月21日 (土)

心内対話を禁煙に応用してみる。

 心内対話を禁煙に応用してみる

「「心内対話」が先送り対策として有効な理由」という記事が、 ブログ ”ライフハック心理学”に掲載されていました。

 これは、「先送りしたくなったら、先送りしたい理由を書いてみる」というもので、

あまりにくだらない理由ばかりが出てくるので、読んでいていやになり、先送りを取りやめることができるというものです。
 
 これを禁煙に応用できないか考えてみました。

 禁煙(卒煙)に向けて、チャレンジしているときに、吸うということは、止煙(タバコを吸わないことにする)を先延ばしにするということなのです。

 そこで、タバコを吸いたくなったら、吸いたい理由を書いてみるのです。
 
 そこで、出る理由はどのようなものがあるでしょうか?

 いわく、
1. このイライラがなくなるかもしれない。

2. 一本だけなら大丈夫じゃないか?

3. 家族とケンカをして、いらいらしたから 

などが出てくるかもしれません。

 吸いたくなったら、まず深呼吸をした後で、”タバコを吸いたい自分” の言い分をまず聞いてみてください。それを必ず、紙に書いてみてください。

 意外とくだらない理由が多いと思います。

 しかし、ニコチン依存はなかなか手強いので、上記のような言い訳が出てきた時用に、自分と交渉するために、対策を練っておく必要があります。

 タバコを吸いたくなったときにどう対処するかを予め考えて、訓練しておく(曝露反応妨害法)ことで、吸いたい自分と交渉し、議論し、説得することができます。

<参考>
自信の作り方

1, に対しては、当ブログの記事の

禁煙ハックス-禁煙とタイムマネジメント
ニコチン離脱症状(禁断症状) について知っておきたいこと

 あたりを読んでみて下さい。

2. に関しては、一本だけなら大丈夫だろうといって、吸ってしまうと、一本だけではすまなくなってしまうのです。これについては、いずれ、詳しく記事を書こうと思います。

3. も良くある言い訳なのですが、それで相手に当てつけのように吸ってしまっても、意味のないことは冷静になれば分かると思います。

 心内対話に着目した禁煙法をマスターしましょう。


 

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2010年8月14日 (土)

タバコのマーケティングについて考えてみました

タバコのマーケティングについて考えてみました

 最近は、タバコの値上げと、吸える場所が減ってきていることで、タバコを止める人も増えています。

 売る側から考えると、お客さんが減るわけですから、何とかしなければなりません。

 タバコ会社はどのようにマーケティングをしているのでしょうか?
 
 少し考えてみました。

 多くのマーケティング手法がとられており、それを書くだけで、一冊の本が書けるのではと思われるくらいですが、最近のトピックスだけ取りあげてみます。

ポイントは

 1. 大人に対しては、禁煙することを思いとどませる。 (既存の顧客の流失を防ぐ)

 2. 子どもに対しては、新規に吸い始める人を増やす。(新規顧客の開拓)
 
 この2点につきます。

 1. まず、大人は禁煙をする人が増えています。そこで、

 禁煙を思いとどませる戦略に出ると思われます。

 その一つが、無煙タバコです。体の害から、他人への迷惑に考えを切り換えさせ、せっかく、禁煙をしようと思っていた人に、禁煙の場所では、無煙タバコを吸っておけばよいと思わせて、禁煙することを阻止します。

<参考>
卒煙目指して 無煙タバコ

 2. 子どもにはどうでしょうか?

 喫煙習慣は大人になってからのものではなく、未成年に始まることがほとんどです。ですから、喫煙は子どもの習慣だという人もいます。
 
 日本赤十字社和歌山医療センターの2001年の調査では、現在の喫煙者のうち20歳までで90%25歳までで98%の人が喫煙開始したとのデータがあります。

 したがって、新規顧客を作るためには、子ども(未成年)を相手にしなければいけません。

<参考>
子どもに売り込め── プロジェクト・シックスティーン 

タバコ会社の本音-『喫煙する権利』なんざ、ガキと貧乏人と黒人とバカにくれてやるよ

 初心者が、吸いにくくて止めてしまってはだめなので、吸いやすいタバコが大事です。

 メンソールタバコ (メントールタバコ) はその点でうってつけです。

 以前取りあげたように、メンソールは粘膜への局所麻酔作用があり、タバコが初めての人が吸っても咳き込むことが少なく、喫煙習慣を形成しやすくなります。

 夏の開放的な時期にメンソールタバコを宣伝し、吸い始めるように誘導しています。だから、夏はメンソールタバコの宣伝がとても多いのです。

<参考>
メンソール(メントール) タバコの罠

 これが、体に害のない製品なら良いのですが、タバコは命を縮め、健康を害します

 未成年の皆さんには、ぜひとも、その戦略にひっかからないようにしていただきたいと思います。

 大人には、子どもの習慣である喫煙を止めて、真に格好よい大人になっていただけたらと思います。

<参考図書>
悪魔のマーケティング
悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実

マーケティング・リテラシー
マーケティング・リテラシー―知的消費の技法

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2010年8月 7日 (土)

メンソールタバコの罠

メンソール(メントール) タバコの罠

 夏です。暑いですね。
 夏になると、メンソールタバコの宣伝が目立つようです。

 これは、どうしてでしょうか?

 もともと、夏はメンソールが好まれるということもあります。クールなどというキャッチフレーズが暑い夏には心を捉えるのかもしれません。

衝動購入が少ない「たばこ」の売り上げアップ戦略とは

 しかし、もう一つ裏があります。

 それは、メンソールの作用に関係しています。

 メンソールは粘膜への局所麻酔作用があります。

 喫煙時に咳がでるのを抑制して、吸いやすくします。

 ですから、本当は吸ってはいけない喘息の方でも、メンソールタバコは吸えてしまったりと、困ったことが起きます。(もちろん、タバコを吸うと喘息発作が起きやすくなるので吸ってはいけません。)
 
 喫煙初心者(多くは未成年者)もタバコを吸うとむせますが、メンソールタバコだと意外と吸えてしまうのです。

 夏休みで開放的になった未成年者をターゲットとして、コンビニ等で大量に宣伝して、メンソールタバコを吸わせ、そのまま喫煙者にしてしまうのが狙いです。

 まさに悪魔のマーケティングです。

 タバコ会社の宣伝、マーケティングにより、

 メンソールタバコのシェアは増えており、2001年10%だったものが、2009年には19.8%となり、約2倍になっています。(販売実績上位 100 銘柄に占めるシェア 出典:(社)日本たばこ協会)

 少し古いデータですが、未成年でもメンソールタバコを吸っている人が、1996年では男子4.2%、女子8.0%、であったのが2000年ではそれぞれ16、8%、33.2%約4倍に増えています。

<参考文献>
Osaki Y, Tanihata T, Ohida T, Minowa M, Wada K, Suzuki K, et al. Adolescent smoking behaviour and cigarette brand preference in Japan. Tob Control. 2006 Jun;15(3):172-80.

 メンソールタバコの問題はそれだけではありません。

 深く吸い込めてしまうので、たくさんの有害物質が肺の奥まで入っていまい、末梢の肺腺がんのリスクが高まります。

 同じ本数を吸っても、深く吸い込むので、体内のニコチンレベルが高く、呼気一酸化炭素も高い傾向にあります。

 つまり、ニコチン依存症の程度が強くなるのです。

 だから、メンソールタバコを吸う人は、禁煙がしづらくなるのです。

<参考>
メンソールたばこは禁煙しにくい? 喫煙再開率が通常の2倍に。 ーナリナリドットコム

Pletcher MJ, Hulley BJ, Houston T, Kiefe CI, Benowitz N, Sidney S. Menthol cigarettes, smoking cessation, atherosclerosis, and pulmonary function: the Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) Study. Arch Intern Med. 2006 Sep 25;166(17):1915-22.

メントールたばこは最も依存性が高い(リンク切れ)ーケアネットコム

Gandhi KK, Foulds J, Steinberg MB, Lu SE, Williams JM. Lower quit rates among African American and Latino menthol cigarette smokers at a tobacco treatment clinic. Int J Clin Pract. 2009 Mar;63(3):360-7.

 メンソールタバコを吸っている人にはショックかもしれませんが、方法があります。

 禁煙しづらい場合は、まず、禁煙の前段階として、メンソールタバコから他の銘柄に替えるのです。

 口当たりの良いメンソール(ヒツジの皮を被ったオオカミ)の罠にだまされないでください。


<お勧め本>
悪魔のマーケティング タバコ産業が語った真実


禁煙学 改訂2版

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2010年7月29日 (木)

ウォーキングと喫煙ードーパミンと絡めて

 ドーパミンは、快楽物質ともワクワク物質とも幸せ物質とも言われ、脳内報酬回路の中心となり、意欲、動機、学習などに重要な役割をになっています。

 そして、ニコチンはドーパミンを分泌します。

 そのこと自体は、一見良さそうに思います。

 でも、そうでしょうか?

 覚せい剤はドーパミンに似た物質で快感をもたらしますが、一方で、常用するとドーパミンが出なくなります。
 覚せい剤を使用していないとドーパミンが出ない状況となり、大変な禁断症状が起きる訳です。

 一方、タバコに含まれているニコチンは脳内の側坐核に働いて、ドーパミンを強制的に分泌させます。

 そうすると、もともと人間が持っているドーパミンを分泌する能力が落ちてきます。
 
 タバコがないと、ドーパミンが、出にくい状態となるわけです。

 タバコが切れると何となく、物足りない、不安な感じが起きるのは、ドーパミンの分泌が落ちているからなのです。

 タバコが切れると、ドーパミンが分泌しないので、楽しくない、幸せでない状態となります。タバコを吸うとやっと非喫煙者並の楽しさ、幸せを感じることができるようになるのです。

 禁煙にチャレンジしたときに何となく口さみしい、ものたりない、不安な状況というのは、ドーパミンが分泌しずらくなっているからなのです。

 このようなドーパミンの最新知見をすでに何年も前に本に書かれていた方がおられます。

 久保田競先生です。

 奥様の久保田カヨ子さんと”エチカの鏡”に出演されて、一般の方にも知られるようになり、幼児教育の久保田能研でも有名ですが、京大名誉教授で本物中の本物の脳科学者です。

 前頭連合野の世界的権威の久保田競先生は、その著書「禁煙で天才脳をつくる!」でタバコのニコチンの代わりにドーパミンを分泌して禁煙する方法として、ジョギングを勧められています。頭も良くなるそうです。

 また、ウォーキングもドーパミンを分泌するので良いと思われます。
 
 禁煙にチャレンジする際に、ジョギングやウォーキングを始めてみませんか?

 そのことにより、出にくくなったドーパミンを自分の力で出すことができるようになります。そして、頭も良くなり、幸せを感じることもできるようになり、最終的に楽しく禁煙できるでしょう。

 ところで、友人の日の出ウォーキング家元の猪狩大樹さんが、本をだされました。

「下半身」を鍛えれば人生は必ずうまくいく

 題名にはびっくりですが、まじめな本です。日の出とともに歩くことを勧める本ですが、ウォーキングドーパミンにも言及しており、禁煙をきっかけに新しい習慣作りをするのにはピッタリの内容となっています。お勧めです。

禁煙で天才脳をつくる!

<参考>
汗をかいてストレス解消、メタボも解消

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2010年7月23日 (金)

脳卒中とタバコの知られざる関係

 健康寿命について、2回記事にしました。

      好きなタバコやお酒を楽しんで、ぽっくりいけたら本望


      一無、二少、三多 の勧め


健康寿命は喫煙者の方が短い。」との話を書きましたが、具体的にはどういうことなのでしょうか?

 ここで、参考になる研究があります。

 タバコを吸うと、脳卒中(脳梗塞・脳出血) になりやすくなるのです。

 多くの調査がありますが、日本人のものとしては、

 1980年から日本人男女1万人を14年間追跡調査したNIPPON DATA 80が有名で、

30歳から65歳までの若年世代において

喫煙者は本数に応じて、脳卒中で死亡する確率が上昇していました。

1_2

(もちろん全年齢層でも1.5 倍程度危険性が高まります。)

 (Ex-smoker は過去喫煙者であり、Ex-smoker(1-20本/day) が一見低いようですが、その範疇に入る人がこの調査では少なかったため、不正確になったものと思われます。)

 脳卒中片麻痺(半身不随)になったり、寝たきりになったりなど健康寿命を短くします。喫煙が健康寿命を短くする一つの理由と考えられます。

 ちなみに、喫煙が健康寿命を短くする理由に、COPDもあります。

 COPDも呼吸不全となり、酸素が必要になりますので健康寿命を損ないます。

       藤田まことさんと慢性閉塞性肺疾患(COPD)

 タバコを吸わない生活をして、健康で長生きしたいものですね。

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2010年7月17日 (土)

一無、二少、三多 の勧め

一無、二少、三多 の勧め

 健康寿命について、前回タバコとの関係で取り上げました。

   <参考>
   好きなタバコやお酒を楽しんで、ぽっくりいけたら本望?

 それでは、健康寿命を長くするのにはどうしたら良いでしょうか?

 以前、7つの健康習慣 

 では、ブレスローの七つの健康習慣について、取り上げました。

 今回は、日本人のデータを探してみました。

 どうも、日本人には

一無、二少、三多 が良いようです。

2009031_2

日本生活習慣病予防協会home page

 これは、池田義雄・日本生活習慣病予防協会理事長が20年以上前から提唱されてきた生活習慣です。

具体的には、

一無」は無煙(喫煙しない)

二少」は少食(食事量が多くない)と少酒(1日2合未満)。つまり、腹八分目。

三多」は多動(激しい運動でなくてもウォーキングや軽い筋トレなどで身体をできるだけ動かす)と多休(休養をとり、個人差があるにしても睡眠を十分にとる)、多接(多くの人や物と接し生活を創造的にし、さらにストレスを発散する。)

 というもので、日本人には、ブレスローの7つの健康習慣よりもあっているという研究もあります。

 タバコを吸わないことから始めて、腹八分目に、そして、軽い運動から始めてみませんか?

<参考文献>
Wada T, Fukumoto T, Ito K, Hasegawa Y, Osaki T, Ban H. Of the three classifications of healthy lifestyle habits, which one is the most closely associated with the prevention of metabolic syndrome in Japanese? Intern Med. 2009;48(9):647-55.

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2010年7月 9日 (金)

好きなタバコやお酒を楽しんで、ぽっくりいけたら本望?

「好きなタバコやお酒を楽しんで、ぽっくりいけたら本望だ。禁煙、禁酒でがまんするよりは、好きなことをやって、人生を楽しみたい。」

 よく、そのように言われる方がいます。

 本当にそのようなことは可能でしょうか?

 私は医師ですので、よく分かるのですが、やはり人生を楽しむためには健康である方が絶対に良いです。

 ここに、そのような方にお示ししたいデータがあります。

男性
  非喫煙者 68.7歳で健康寿命が終わり、
               病気を8年患って76.7歳で死亡

  喫煙者 56.5歳で健康寿命が終わり、
               病気を13年患って69.5歳で死亡
女性
  非喫煙者 66.4歳で健康寿命が終わり、
               病気を14.5年患って80.9歳で死亡

  喫煙者 53.8歳で健康寿命が終わり、
               病気を20年患って73.8歳で死亡 

           ーデンマークの男性2,766人と女性3,045人での解析  2001年 

 喫煙者だと、定年まで一生懸命に働いて、これから人生を楽しもうというときに、病気になる感じでしょうか、これは、つらいものがあります。

人生を楽しむためにも、タバコを止めることを選択しましょう。

<引用文献>
Bronnum-Hansen H, Juel K. Abstention from smoking extends life and compresses morbidity: a population based study of health expectancy among smokers and never smokers in Denmark. Tob Control. 2001 Sep;10(3):273-8.

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